「リーキーガット」は、近年、腸の健康に関心が高まる中で注目されている免疫学上の概念です。腸の壁は、本来とてもきめ細かく作られていて、必要な栄養は通し、ウイルスや細菌、有害物質は通さないフィルターのような役割をしています。しかし、ストレス、加工食品のとりすぎ、アルコール、薬の影響などによって腸の壁が傷つくと本来通さないはずの物質が血液の中に入り込んでしまうことがあります。これが「腸もれ=リーキーガット」と呼ばれる状態です。
リーキーガットがあると、次のような症状が出ることがあります。
・お腹の張り、ガス、下痢や便秘
・肌あれや湿疹
・疲れやすい、集中力が続かない
・食品アレルギーが増える
これらは他の病気でも見られるため、リーキーガットかどうかは慎重な判断が必要です。当院ではリーキーガットの状態かを判断する検査として、腸管バリアパネル(GBP)検査を実施しています。
【GBP】 腸管バリアパネル ¥32,000 (税込)
腸管バリアパネル2つの特徴であるIgG抗体(サブクラス1〜4)と炎症マーカーのC3dをデュアルで測定。さらにIgA抗体(サブクラス1〜2)も測定します。4つのマーカー(カンジダ、ゾヌリン、オクルディン、LPS)を活用し、リーキーガットが実際に起こっているかを複数の観点から判断いたします。
カンジダ |
腸内に生息するカビの一種。増殖すると腸粘膜を傷つけ、腸のバリア機能を低下させる。 |
ゾヌリン |
タイトジャンクションを調整するタンパク質。ゾヌリンの上昇はバリア機能の破綻を示す。 |
オクルディン |
タイトジャンクションの構成要素。血中での検出は細胞間接着の破綻を意味。 |
LPS |
腸内の悪玉菌の細胞膜成分。血中で検出されると全身の炎症に関与。慢性疾患との関係も示唆。 |
また「遅延型フードアレルギー」をIgG抗体免疫複合体C3dも同時に測定することで高い精度が得られる「FITパネル」も採用しております。
【FIT132+GBP】 ¥76,000 (税込)
日本人に馴染みのある132項目の食品に対するIgG抗体・c3dを調べるフードアレルギー検査に加え、「腸管バリアパネル」がセットされた検査パネルです。
乳製品 |
カゼイン(牛)、ヤギ乳、牛乳、ホエイ |
卵 |
卵白、卵黄 |
穀類 |
大麦、雑穀(イネ科)、オート麦、白米、ライ麦、小麦グルテン、全粒小麦 |
果物 |
リンゴ、アボカド、バナナ、ブルーベリー、網メロン、サクランボ、クランベリー、ブドウ(白・種なし)、グレープフルーツ、ハネデューメロン、レモン、ライム、オリーブ(緑)、オレンジ、モモ、洋ナシ、パイナップル、プラム、ザクロ、ラズベリー、イチゴ、スイカ |
添加物 |
アスパルテーム、安息香酸、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、グルタミン酸ナトリウム(MSG)、ポリソルベート80、赤色3号、赤色40号、サッカリン、黄色5号 |
野菜 |
アーティチョーク、アスパラガス、ビーツ、ブロッコリー、バターナッツカボチャ、キャベツ、キャロブ、ニンジン、カリフラワー、セロリ、ヒヨコ豆、コラードグリーン、トウモロコシ、キュウリ、レタス、タマネギ(白)、グリーンピース、ピーマン(緑)、サツマイモ、ジャガイモ、セイヨウカボチャ、ほうれん草、トマト、ズッキーニ |
微生物 |
カンジダ、製パン用イースト、醸造用イースト |
豆 |
ココア、コーヒー、キドニー豆、白インゲン豆、うずら豆 、レンズ豆、大豆 |
スパイス |
バジル、シナモン、ニンニク、ショウガ、ホップ、マスタード、オレガノ、パプリカ、黒コショウ、唐辛子、ペパーミント、ローズマリー、ターメリック、バニラ |
魚 |
タラ、カレイ、オヒョウ、サケ、シーバス、フエダイ、メカジキ、マス、マグロ |
肉 |
牛肉、ベーコン、ラム肉、豚肉 |
家禽肉 |
鶏肉、鴨肉、七面鳥肉 |
抽出物とその他 |
アガベ、キャノーラオイル、マッシュルーム、スピルリナ、サトウキビ、紅茶、赤ワイン |
種子 |
ディルシード、フラックスシード、キノア、ゴマ、ヒマワリ種子 |
魚介類 |
ハマグリ/アサリ、カニ、ロブスター、ホタテ貝、エビ |
ナッツ |
アーモンド、カシューナッツ、ココナッツ、セイヨウグルミ、ヘーゼルナッツ、ピーナッツ、ペカン |
【FIT176+GBP】 FITパネル176+GBP ¥105,000 (税込)
FIT132+GBPに加えて、下記44項目を追加した検査パネルです。
乳製品 |
羊乳 |
穀類 |
アマランサス、蕎麦、タカキビ、スペルト小麦、タピオカ、小麦グリジアン |
果物 |
アサイー、アンズ、イチジク、キウイ、ゴジベリー、マンゴー、ラカンカ、パパイヤ |
添加物 |
食酢 |
野菜 |
ルッコラ、芽キャベツ、ナス、ケール、ペポカボチャ |
豆 |
黒インゲン豆、サヤインゲン |
スパイス |
コリアンダー、クローブ、クミン、パセリ |
魚 |
カタクチイワシ、サバ、イワシ |
抽出物とその他 |
ココナッツオイル、カンナビジオール(CBD)、ハチミツ、メープル シロップ、ステビア |
種子 |
チアシード、ヘンプシード |
魚介類 |
カキ、イカ |
ナッツ |
ブラジルナッツ、マカダミアナッツ、ピスタチオ、松の実 |
検査の流れ
GBP、FIT132+GBPまたはFIT176+GBPを選択してください。
採血を行います。採血量は約2mlです。止血を確認したら検査終了です。検査前後の食事制限はありません。
約1か月後に再診して頂き、検査結果をお渡しし、説明を行います。
注意事項
リーキーガット検査は、科学的に確立された診断法ではありません。検査結果と実際の症状を照らし合わせて、総合的に判断する必要があります。