4つの扁桃組織について
扁桃肥大とは
口蓋扁桃が肥大する状態を扁桃肥大と言います。扁桃肥大は、3歳頃から大きくなり出し、7歳頃がピークで10歳頃には小さくなります。呼吸障害やいびきによる睡眠時無呼吸症候群、寝起きが悪い、日中眠そうな様子、食べ物が飲み込みにくい、飲み込むのに時間がかかるなど、扁桃肥大が原因によるさまざまな症状が見られます。
扁桃肥大の症状
- いびき
- 睡眠時無呼吸
- 食べるのが遅い
扁桃肥大の治療方法
とくに大きな症状が見られない場合は、経過観察をしていきます。扁桃肥大による症状の度合いが大きい場合には、扁桃摘出の手術を行う場合は東京医科大学病院を紹介しています。
アデノイド肥大とは
アデノイドは、鼻の奥の突き当りと喉の間部分である上咽頭にあるリンパ組織のかたまりです。アデノイド肥大によって、急性中耳炎を繰り返したり、滲出性中耳炎や鼻閉などの疾患を引き起こします。
アデノイド肥大の症状
- 鼻づまり
- 鼻声
- 口呼吸
- 普段から口を開けている
- いびき(睡眠時無呼吸)
アデノイド肥大の治療方法
アデノイドの大きさは、6歳くらいがピークで8~10歳頃には小さくなっていくため、上記のような目立った症状がない場合には、経過観察を行っていきます。なかでも、呼吸障害や睡眠障害の度合いが大きい場合は、手術が必要になります。患者さんの症状を丁寧に経過観察しながら、適した治療方法を判断していきます。滲出性中耳炎、副鼻腔炎を発症している場合は、それらの治療を行っていきます。
扁桃・アデノイド肥大が引き起こす悪影響について
扁桃・アデノイド肥大によって、空気の通り道が狭くなってしまいます。従って、鼻づまりや口呼吸、いびきの症状が現れ、さらに重症化した場合は寝ている間に呼吸が一時的に止まってしまう睡眠時無呼吸症候群を引き起こすことがあります。
小さいお子さんの場合は、寝起きの悪さによるぐずつき、日中の強い眠気、居眠り、集中力の低下などの症状が目立ちます。風邪の症状が軽くなっても、このような症状が続く場合は、扁桃肥大やアデノイド肥大が疑われます。アデノイド肥大があっても呼吸障害・睡眠障害に大きな影響がなければ、経過観察を行っていきます。症状に応じて、手術が必要な場合は、東京医科大学病院を紹介しています。
検査
扁桃肥大やアデノイド肥大の度合いを確認するために、視診やレントゲン検査を行います。また、鼻咽喉の通りが悪くないかを確認していきます。レントゲンでは正確に分からない場合は、鼻から内視鏡を挿入させて検査を行います。検査の際に、じっとしていられないお子さんでも、内視鏡検査によって後から映像を再生して確認することが可能です。
当院では、小さいお子さんでも5歳くらいから睡眠時無呼吸症候群の簡易検査を実施しています。その結果から扁桃肥大やアデノイド肥大の影響を確認していきます。